「「遺言」を作成したいけど、何からどうしたらいいか分からない。」という方はたくさんいらっしゃいます。
今回は、そんな方々のために、「遺言」作成にあたっての検討事項についてお話します。
「相続人」の検討
「遺言」を作成するにあたって一番最初に検討しなければならないのが、「相続人」です。
「相続人」には、「遺留分」(兄弟姉妹を除く。)があります。
「遺留分」とは、「相続人に最低限保証される取り分」であり、これを侵害するような「遺言」は相続紛争の原因となりかねません。
せっかく「遺言」を作成したのに相続紛争になってしまったというのでは意味がありませんので、そうならないためにも、「相続人」の検討が必要となってくるのです。
では、何を検討するのか?
以下の➀~➂を調査する必要があります。
➀「相続人」はいるのか?
➁「相続人」がいる場合は、誰が「相続人」なのか?
➂「相続人」のうち「遺留分」のある「相続人」は誰なのか?
上記➀~➂により、「相続人」の有無及び「遺留分権者」が判明します。そして、紛争予防のためには、誰に?どういった?配慮等をする必要があるのかを検討する必要があるのです。
相続財産のリストアップ
「相続人」の検討を終えたら、次は「相続財産」を検討する必要があります。
「遺言」に記載されている「相続財産目録」に存在しない財産が記載されていたり、存在する財産が記載されていなかったりした場合、相続紛争を誘発するおそれがあります。
紛争予防のためには、「相続財産」を明確にしておく必要があります。
特殊な財産が存在するような場合でなければ、最低限以下の➀~➄の調査をする必要があります。
➀預貯金の有無、預金先金融機関及び残高 など
➁不動産の有無、所在 など
➂有価証券の有無、価格 など
➃事業財産の有無、価格 など
➄借入金の有無、残高 など
上記調査の結果、相続財産が確定します。
相続財産の承継者、承継内容、承継方法の検討
「相続人」、「遺留分権者」と「相続財産」が確定したら、次は、「誰に?」、「どういう財産?」を「どういう方法?」で承継させるかを「遺留分権者」に配慮等して具体的に検討します。
例えば、
➀相続人以外の第三者に全部相続させる(包括遺贈)。
➁配偶者と長男に土地を1/2ずつ相続させる(割合的遺贈)。
➂長男には土地、長女には預貯金を遺贈する(特定遺贈)。
など、先に検討した「相続財産」と「相続人」を考慮し、相続発生後に紛争を惹起させないように慎重に検討します。
遺言執行者の検討
せっかく「遺言」を作成しても、現実に実行されなければ意味がありません。
そのため、亡くなった遺言者にかわって、「遺言」の内容を実現するための様々な手続をすることができる人(「遺言執行者」)を選任することができます。
承継者が、高齢者、障害者や法律知識が乏しい場合、または、相続人間が不仲である場合などは、「遺言執行者」を選任することを検討する必要があります。
その他の検討事項
ここまでの検討で、一般的な「遺言」の内容は整っていますが、以下➀~➃についても必要に応じて検討することが推奨します。
➀生前契約(任意後見・死後事務委任)の検討
認知症等で判断能力を欠くことになった場合に備えた財産管理、また、葬儀、埋葬等の手続について委任する必要があると判断した場合には、検討をする必要があります(ただし、遺言に記載できる場合と別途契約が必要な場合があります。)。
➁祭祀承継者等の検討
祭祀承継について相続人間で争いがある場合には、検討をする必要があります。
➂予備的遺言の検討
配偶者にすべての財産を相続させるとする「遺言」を作成したときに、万一、その配偶者が先に死亡した場合は、その「遺言」の効力が問題になり、相続紛争を惹起する可能性があります。
そのため、承継者が高齢者である等の場合には、予備的承継者を検討する必要があります。
➃付言
法的な効力は認めらませんが、残された者への特別なメッセージ等がある場合には、検討をする必要があります。
まとめ
以上の検討結果を精査し文章にすることで、「遺言」の文案は完成します。
「遺言」は相続紛争を未然に防止し、遺言者の意思を反映させるものです。
お早めに「遺言」の作成を検討しましょう。
「遺言」の作成についてお困りの方は、まずは、お電話(03-6281-3990)又はお問い合わせフォームより「行政書士 ペンタス法務事務所」にご相談下さい。
